技術紹介 Technologies

SECT法電気加熱システム(タンク底版用)

SECT法は、低温液体を貯蔵する大型タンクの底部を電気で加熱し、地盤の凍結やタンクの損傷を防ぐ技術です。

近年、次世代エネルギーとして近年注目されている液化水素やLNG、アンモニアは、貯蔵時に極めて低い温度で液体の状態を保つ必要があります。 
こうした低温液体を貯蔵するタンクは、地上や地下に設置されます。しかし、タンク内の低音の影響が地盤へ伝わると、地面が凍ってしまうという問題が起きます。
地面が凍ると、水分が膨張して地面が持ち上がる「凍上(とうじょう))が起こり、タンク全体が傾いたり、ひび割れを起こしたりする危険があります。
このようなリスクを防ぐために、タンクの基礎版を電気で加熱し続けて、地盤の凍結を防ぐ必要があります。

タンク基礎版加熱におけるSECT技術の応用

SECTSkin Electric Current Thermo)法は、JNCエンジニアリング株式会社が独自に開発した電気加熱技術です。

仕組みは、次のような流れです。

  1.  加熱したいタンク底版のコンクリート内に、細い鋼管(SECT管)を直接埋め込みます
  2. SECT管の中に耐熱ケーブルを通して電気を流します
  3. 電気は「表皮効果」という物理現象により、SECT管の内側の表面に集中して流れます
  4. この電気抵抗による熱(ジュール熱)でSECT管が発熱し、対象物を均一に温めます

表皮効果とは?

表皮効果とは、高周波の交流電流が金属の中を流れるとき、内部よりも表面に集中して流れる現象です。
SECT技術はこの原理を巧みに応用して以下のメリットを得ています。

  • ケーブル自体は発熱しない
    通常の電気ヒーターはケーブル(線材)が直接発熱するため、熱によってケーブルが劣化していきます。ところがSECT法では、電流がSECT管の内側に集中することで、管が発熱体になり、ケーブルは熱の影響を受けにくくなります。これにより無駄な熱損失が少なくエネルギー効率の良い加熱が可能となり、さらにメンテナンスフリーの長寿命に直結しています。
  • SECT管の外側には電圧が現れない
    表皮効果によって電流が内側表面に閉じ込められるため、管の外壁には電圧がかかりません。そのためパイプライン全体を電気的に絶縁する必要がなく、むしろ積極的に接地(アース)を取れる、非常に安全な構造になります。

特性

回路電圧
~480V

出力
~110W/m

ヒーター設置間隔
通常1000mm

特徴

  • 高出力・低コスト・短工期
    ヒーター1本ごとに大きな発熱量(110W/m)が得られますので、ヒーター本数は最小限で済みます。施工ボリュームが比較的小さく、安価かつ短工期です。
  • 耐久性
    鋼管と単芯ケーブルのみで構成されるこの上なくシンプルな設備です。経年劣化の懸念が少なく長期間保全作業不要で運用頂けます。
  • 安全性
    鋼管の外側に電圧がかからないため、感電などのリスクが低い安全な構造です。

用途

  • LNG貯槽
    これまで国内外8事業所で、LNG貯槽にSECT法が運用されています。
  • 液体水素・アンモニア貯槽
    次世代エネルギーとして期待される液化水素、アンモニアの貯槽に使用用途を広げています。

JNCエンジニアリングが社会に貢献すること

JNCエンジニアリング株式会社は1965年の創業以来、化学プラントのエンジニアリングを手がけてきました。
そのパイオニア精神を受け継ぎ、現在は脱炭素・地球環境保全を新たな事業の柱として掲げています。

SECT法が支えるのは、単なるタンクの安全性だけではありません。

  • 次世代エネルギーが安全に・安定して・大量に社会へ届くインフラを守っています
  • 液化水素やアンモニアの海外からの輸入・受け入れ基地の整備を支えています
  • 都市ガス・発電・工場など、私たちの日常生活に欠かせないエネルギー供給を下支えしています
  • カーボンニュートラル社会の実現に向けたエネルギーインフラの基盤技術を提供しています

目には見えにくいけれど、タンクの「底」で静かに、そして確実に、日本と世界のエネルギーの安全を守り続ける──それがJNCエンジニアリングのSECT法です。

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