タンク基礎版加熱におけるSECT技術の応用
SECT(Skin Electric Current Thermo)法は、JNCエンジニアリング株式会社が独自に開発した電気加熱技術です。
仕組みは、次のような流れです。
- 加熱したいタンク底版のコンクリート内に、細い鋼管(SECT管)を直接埋め込みます
- SECT管の中に耐熱ケーブルを通して電気を流します
- 電気は「表皮効果」という物理現象により、SECT管の内側の表面に集中して流れます
- この電気抵抗による熱(ジュール熱)でSECT管が発熱し、対象物を均一に温めます

表皮効果とは?
表皮効果とは、高周波の交流電流が金属の中を流れるとき、内部よりも表面に集中して流れる現象です。
SECT技術はこの原理を巧みに応用して以下のメリットを得ています。
- ケーブル自体は発熱しない
通常の電気ヒーターはケーブル(線材)が直接発熱するため、熱によってケーブルが劣化していきます。ところがSECT法では、電流がSECT管の内側に集中することで、管が発熱体になり、ケーブルは熱の影響を受けにくくなります。これにより無駄な熱損失が少なくエネルギー効率の良い加熱が可能となり、さらにメンテナンスフリーの長寿命に直結しています。 - SECT管の外側には電圧が現れない
表皮効果によって電流が内側表面に閉じ込められるため、管の外壁には電圧がかかりません。そのためパイプライン全体を電気的に絶縁する必要がなく、むしろ積極的に接地(アース)を取れる、非常に安全な構造になります。


特性
回路電圧
~480V
出力
~110W/m
ヒーター設置間隔
通常1000mm
特徴
- 高出力・低コスト・短工期
ヒーター1本ごとに大きな発熱量(110W/m)が得られますので、ヒーター本数は最小限で済みます。施工ボリュームが比較的小さく、安価かつ短工期です。 - 耐久性
鋼管と単芯ケーブルのみで構成されるこの上なくシンプルな設備です。経年劣化の懸念が少なく長期間保全作業不要で運用頂けます。 - 安全性
鋼管の外側に電圧がかからないため、感電などのリスクが低い安全な構造です。
用途
- LNG貯槽
これまで国内外8事業所で、LNG貯槽にSECT法が運用されています。 - 液体水素・アンモニア貯槽
次世代エネルギーとして期待される液化水素、アンモニアの貯槽に使用用途を広げています。
JNCエンジニアリングが社会に貢献すること
JNCエンジニアリング株式会社は1965年の創業以来、化学プラントのエンジニアリングを手がけてきました。
そのパイオニア精神を受け継ぎ、現在は脱炭素・地球環境保全を新たな事業の柱として掲げています。
SECT法が支えるのは、単なるタンクの安全性だけではありません。
- 次世代エネルギーが安全に・安定して・大量に社会へ届くインフラを守っています
- 液化水素やアンモニアの海外からの輸入・受け入れ基地の整備を支えています
- 都市ガス・発電・工場など、私たちの日常生活に欠かせないエネルギー供給を下支えしています
- カーボンニュートラル社会の実現に向けたエネルギーインフラの基盤技術を提供しています
目には見えにくいけれど、タンクの「底」で静かに、そして確実に、日本と世界のエネルギーの安全を守り続ける──それがJNCエンジニアリングのSECT法です。

